子どもが学校に行けなくなったとき、多くの保護者の方が気になるのが「このまま欠席が積み重なって、進路に影響しないだろうか」という不安ではないでしょうか。
結論から言えば、学校に登校しなくても、フリースクールや自宅での学習を在籍校の「出席」として認めてもらえる制度があります。 そして船橋市には、すでにその承認事例があります。
船橋市の特徴は、出席扱いの前例を市の教育委員会が自分で公表していることです。教育委員会が毎年つくっている「船橋市不登校相談リーフレット」には、市内の小中学生が利用して出席扱いとなった民間施設が、連絡先つきで21か所載っています。
一方で、フリースクールの利用料に対する保護者向けの補助金は、2026年9月時点で船橋市にも千葉県にもありません。
この記事では、船橋市で出席扱いを進める手順、教育支援センターにあたるサポートルーム「ひまわり」「すずらん」、2026年9月に始まったほっとスペース「けやき」、お金の面で知っておきたいことまでまとめてお伝えします。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。
いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
不登校の専門家として言えるのは、出席扱いの制度と地域の支援を知っているかどうかで、不登校になった後の選択肢は大きく変わるということです。
船橋市で実際に出席扱いが認められた事例
まず知っていただきたい事実からお伝えします。
船橋市内の学校で、フリースクールに入会したあとすぐに活動レポートを学校へ提出することで、出席扱いが認められた事例があります。
「うちの子の学校でも認めてもらえるのだろうか」と不安な方は多いと思います。ただ、船橋市にはすでに前例があります。前例があるということは、学校側にとっても判断しやすいということです。
船橋市の場合、前例は個別の学校の中だけにあるのではありません。教育委員会の指導課 児童・生徒サポート室がつくる令和8年度版の「船橋市不登校相談リーフレット」には、フリースクール等の民間施設の一覧があり、「下記は市内の小中学生が利用し、出席扱いとなった県内の施設です」と説明されています。
掲載は21施設で、船橋市内のほか、習志野市・八千代市・鎌ケ谷市・印西市・千葉市の施設も入っています。あわせて「施設によって活動が異なるため、利用する際は学校と面談を行う場合があります」とも書かれています。
市が出席扱いの実績をまとめて保護者に案内しているので、学校の先生にとっても、民間施設での学びを出席扱いにする相談は初めての話ではなくなっています。[1]
そもそも「出席扱い」とは
出席扱いとは、学校に登校していなくても、自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえる制度です。文部科学省が要件を示しており、最終的には在籍校の校長先生が判断します。[2]
ポイントは大きく4つあります。
- 保護者と学校の連携 担任の先生と定期的にやりとりできている状態が前提になります。
- 計画的な学習プログラム ICT教材やフリースクールでの活動がこれにあたります。
- 訪問等による対面指導 自宅で学ぶ場合は、先生の家庭訪問や面談など、対面のやりとりが定期的にあることが求められます。
- 学習状況の把握 活動レポートや学習記録を提出し、学校が状況をつかめるようにします。
つまり「なんとなく家で勉強している」ではなく、記録を残して学校と共有し、先生とも顔を合わせる仕組みさえあれば、出席扱いは十分に目指せます。
船橋市は独自の様式より「学校との面談」が入口になる
政令市のなかには、出席扱いの独自ガイドラインや申請様式を公開している市もあります。船橋市については、2026年9月時点で、市独自のガイドラインや様式の公開は確認できませんでした。船橋市で出席扱いを進めるときの土台は、文部科学省の通知と、在籍校の校長先生の判断です。
そのかわり、市の資料からは船橋市の進め方の特徴が読み取れます。キーワードは面談です。
不登校相談リーフレットは、民間施設を利用するときに「学校と面談を行う場合があります」と案内しています。
また、市が令和6年度から運用しているオンライン教材「デキタス」も、使いたいときは在籍校にその旨を伝え、在籍校と面談をして、利用するときの確認事項の説明を受けることになっています。
デキタスは、市立小中学校に在籍する不登校や不登校傾向の子、自分の教室で授業を受けられていない子が対象で、平日9時から17時までは無償で使え、自宅でも校内教育支援センターでもサポートルームでも利用できます(自宅の通信費は家庭の負担です)。[3]
つまり船橋市では、学校の外や自宅での学びを始めるとき、どの場面でも「まず在籍校と面談する」という流れが共通しています。出席扱いの相談も、この面談の場に乗せるのがいちばん自然です。
面談の場で、どこで何をどのくらい学ぶのか、学校への報告はどうするのかを具体的に伝えられると、校長先生も判断しやすくなります。なお、デキタスを使えば自動的に出席扱いになる、と市が案内しているわけではありません。出席扱いにするかどうかは、あくまで校長先生の判断です。
学校に直接話しづらいときや、話し合いで迷ったときの相談先も市の資料に載っています。
不登校の支援全般は教育委員会の指導課 児童・生徒サポート室(047-436-2862)、教育相談は総合教育センターの教育相談班(047-422-7734、平日9時から17時)です。
市役所別館1階の「教育悩み事相談室」(047-495-2641)では、市内の小・中・特別支援学校で校長を経験した相談員が相談に応じています。出席扱いを判断する立場を経験した人に相談できる窓口があるのは、心強い点です。
なぜ出席扱いが重要なのか
第一に挙げられるのは、進学や受験への影響です。欠席日数が内申に響くのではないかという不安は、多くの保護者の方が抱えるものだと思います。
ただ、この影響は昔に比べると小さくなってきています。受験の合否判定で出席日数を考慮しない自治体が増えてきているためです。
だからこそ僕は、もうひとつの視点をお伝えしたいです。
僕自身、不登校の当時はフリースクールに通っていた当事者です。当時は、学校に行っていない自分への否定的な気持ちや「このままでいいのかな」という不安がずっと心のどこかにありました。
でも、フリースクールでの学びが出席扱いになったことで、自分がやっていることを学校が認めてくれた。 「これでいいんだ」と思えるようになったんです。その結果、少しずつ自己肯定感が高まっていきました。
出席扱いは、単に欠席日数を減らすための制度ではありません。学校の外での学びも認められているという安心感を子どもに届けられる制度です。だからこそ僕は、出席扱いを大事にしてほしいと思っています。
出席扱いの仕組みを持つオンラインフリースクールについては、こちらで学び方を紹介しています。
船橋市での進め方。実例ベースの4ステップ
実際に承認された事例と、船橋市の資料をもとに、進め方を整理します。
- フリースクールや教材を決める 出席扱いの実績があるところを選ぶと話が早く進みます。学校への説明資料や連携の型をすでに持っているためです。見学のときに「在籍校への報告はどんな形で、どのくらいの頻度ですか」「学校の先生との面談に同席や資料提供をしてもらえますか」と聞いてみてください。
- 担任の先生に相談する 「出席扱いにしてほしい」といきなり交渉するのではなく、「文科省の通知に沿って、フリースクールでの活動を出席扱いにできないか、面談で相談したい」と伝えるのがスムーズです。判断するのは校長先生なので、担任の先生経由で話を上げてもらいます。
- 活動レポートを提出する 船橋市の事例では、入会後すぐにレポートの提出を始めたことが承認の決め手になりました。学習内容や時間、お子さんの様子が伝わることで、先生も安心して判断できます。
- 出席扱いが承認される その後も定期的にレポートを共有し、学校との連携を続けていきます。年度が替わって担任の先生や校長先生が交代したときは、あらためて経緯を伝えておくと安心です。
もし学校の反応が鈍かったときの動かし方は、こちらの記事にまとめています。
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
船橋市にフリースクールの補助金はある?
お金の面は正確にお伝えします。2026年9月時点で、船橋市が保護者に支給するフリースクール利用料の補助金は、市の公式サイトでは確認できません。
千葉県にも、県が保護者に直接支給する利用料の助成はありません。県の「千葉県フリースクール活動支援事業」は、フリースクールの運営者に活動経費の一部を補助する制度で、保護者が受け取るものではありません。[4]
千葉県内では、千葉市・松戸市・市原市・印西市などが市独自の保護者向け補助を設けていて、いずれも在籍校で出席扱いになっていることが要件に入っています。
船橋市で今後同じような制度ができた場合にも、出席扱いが要件になる可能性は十分にあります。
補助金がいまは無くても、出席扱いの手続きを先に進めておくことは無駄になりません。
そのうえで、船橋市には費用をかけずに使える公的な支援がそろっています。サポートルームの相談窓口である総合教育センターの教育相談は無料、ほっとスペース「けやき」の利用も無料(体験活動の材料費などは実費の場合あり)、オンライン教材「デキタス」も平日9時から17時は無償です。
民間のフリースクールと、こうした無料の支援を組み合わせて、家計の負担を抑えるご家庭もあります。制度は年度で変わるので、最新の状況はお住まいの船橋市の教育委員会に確認してください。
千葉県内の市町村ごとの補助金とフリースクールは、こちらの記事で紹介しています。
>>千葉県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
船橋市で利用できる2つの選択肢
選択肢1:自宅で学べる「オンラインフリースクール」
「まだ外に出るエネルギーがない」というお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」という選択肢があります。
自宅にいながら、ネットの先生(担任)が伴走し、学習や生活リズムをサポートします。
2018年の開校からこれまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきた実績があり、一定の要件を満たし校長先生が認めれば在籍校の出席扱いとなる仕組みも整っています。
出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みなので、学校との連携もスムーズです。
船橋市は人口が約65万人の大きな街で、南の湾岸エリアから北部の小室や豊富まで南北に長く広がっています。
サポートルームは宮本と松が丘の2か所なので、住んでいる場所によっては通うだけで負担になるご家庭もあります。自宅から始められるオンラインなら、住んでいる地区に関係なく同じ支援を受けられます。
サポートルームや「けやき」に週に何日か通いながら、家ではオンラインで学ぶという組み合わせもできます。
学習面では最先端のAIサポートを取り入れているのも特徴です。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIが、わからない場面で答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えてくれます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定があるので、安心して使えます。
選択肢2:通える距離の「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。
船橋市内に校舎はありませんが、東京メトロ東西線の西葛西駅から徒歩1分の場所に西葛西校(江戸川区西葛西6-10-14 正栄ビル202)があります。
西船橋駅から東西線で乗り換えなしで行けるので、西船橋や東葉高速線の沿線にお住まいなら通学の候補になります。千葉県内では、千葉市内でも校舎の開校を準備しているところです(2026年9月時点)。
明光フリースクールでは、学び直しのサポートに加えて、プログラミングやeスポーツなど、子どもが「楽しい」と思えるコンテンツを用意しています。学校ではないけれど、仲間と過ごしながら通う場所として機能します。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になった実績も他の地域で多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
船橋市の公的な相談窓口も知っておこう
フリースクールとあわせて、船橋市の公的な支援も知っておくと安心です。
船橋市の教育支援センター(適応指導教室)は「サポートルーム」という名前で、市内に2か所あります。
- 第1サポートルーム「ひまわり」 宮本6-33-1(峰台小学校敷地内)。JR東船橋駅南口から徒歩8分、京成大神宮下駅から徒歩12分。平成8年の開設です。
- 第2サポートルーム「すずらん」 松が丘3-69-1(古和釜中学校C棟4階)。北習志野駅か高根公団駅から京成バスで「刈米」下車、徒歩1分。令和6年度に開設されました。
対象は船橋市在住の不登校の小中学生です。通室日は月曜日から金曜日(休日は学校と同じ)で、午前コース(10時から12時)、午後コース(13時から15時)、1日コース(10時から15時)の主に3つから選べます。
学校の課題やドリルなどの個別学習、運動や工作・園芸などのグループ活動、博物館見学や調理体験などの体験活動、相談が主な内容です。保護者向けにも、随時の個別相談、保護者会、年3回の講演会・情報交換会があります。小学生は保護者の送迎、中学生は公共交通機関か保護者の送迎で通います。[5]
大事なのは入り方です。サポートルームに通えるのは、総合教育センターで相談を受けている子のうち、本人と保護者が希望し、在籍校の校長先生が認めた場合とされています。
いきなり教室に申し込むのではなく、まず総合教育センター 教育支援室の教育相談班(東町834、047-422-7734、平日9時から17時、相談は無料、面接相談は予約制)に電話するのが最初の一歩になります。
サポートルームへの通室を出席扱いにするかどうかも在籍校の校長先生の判断になるので、相談とあわせて学校に確認しておいてください。
2026年9月1日には、新しい居場所としてほっとスペース「けやき」(不登校児童生徒等支援事業)も始まりました。
場所は高根台児童ホーム内の2階(高根台2-2-2、児童ホームとは別の専用入口)で、火曜日から土曜日の9時から17時まで開いています。対象は船橋市在住の不登校の小中学生と保護者で、利用は無料です。
学校などには相談しづらい子どもと保護者のための事業で、相談支援、安心して過ごせる居場所、生活習慣の支援、創作などの体験活動、保護者会があります。
居場所や体験活動を使うには予約制の事前見学と利用登録が必要で、相談だけなら登録はいりません。問い合わせは047-401-5626です。土曜日も開いているので、平日に動きづらいご家庭にも使いやすい窓口です。[6]
このほか、青少年会館(若松3-3-4)内の、ふれあい「夢のふなっこ」は、学校やサポートルームに通えずにいる子がスポーツや音楽などの体験活動をする場所で、平成15年から続いています。
学校の中では、令和6年度から市立の小・中・特別支援学校の全校に校内教育支援センターが置かれていて、自分のクラスに入りづらい子が落ち着いた場所で自分のペースで学べます。利用の相談先は在籍校です。
不登校や友人関係の相談は、青少年センターの相談専用ダイヤル(047-431-3749)でも受け付けています。
教育支援センターの通い方や費用の考え方はこちらの記事で、千葉県内の相談窓口はこちらの記事で詳しく紹介しています。
>>教育支援センター(適応指導教室)とは?通い方・費用・出席扱いをわかりやすく解説
>>千葉県の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】
公的な教室とフリースクールは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。お子さんの状態や相性に合わせて、複数の選択肢を並行して検討してみてください。
まとめ。船橋市は「市が前例を公表している」から動きやすい
出席扱いは校長先生の判断で決まるため、前例があるかどうかが大きく影響します。船橋市にはすでに承認事例があり、教育委員会の不登校相談リーフレットには、市内の小中学生が利用して出席扱いとなった民間施設が21か所載っています。
保護者向けの利用料の補助金は市にも県にもまだありませんが、サポートルーム「ひまわり」「すずらん」、無料のほっとスペース「けやき」、オンライン教材「デキタス」と、費用をかけずに使える支援は増えています。
今日できる一歩として、連絡帳や学校への連絡メールに「学校の外で学べる場所を考えている。出席扱いにできないか、一度面談で相談したい」と一文書いてみてください。船橋市は面談が入口になる街です。面談の約束さえ取れれば、話は前に進み始めます。
学校に行かない期間があっても、学びと出席の心配を減らす方法はあります。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
船橋市で不登校の出席扱いは認められますか?
船橋市内の学校で、フリースクール入会後すぐに活動レポートを学校へ提出することで出席扱いが認められた事例があります。文部科学省の通知に沿って、最終的な判断は在籍校の校長先生が行います。
船橋市教育委員会の「船橋市不登校相談リーフレット」(令和8年度版)にも、市内の小中学生が利用して出席扱いとなった民間施設が21か所掲載されています。
利用するときは学校と面談を行う場合があると案内されているので、まず担任の先生に相談し、面談の場で校長先生に話を上げてもらう流れが基本です。
船橋市にフリースクールの補助金はありますか?
2026年9月時点で、船橋市が保護者に支給するフリースクール利用料の補助金は、市の公式サイトでは確認できません。
千葉県にも保護者に直接支給する利用料の助成はなく、県の「千葉県フリースクール活動支援事業」は運営者向けの制度です。
一方で、総合教育センターの教育相談、ほっとスペース「けやき」、オンライン教材「デキタス」(平日9時から17時)は無料で利用できます。制度は年度で変わるので、最新の状況は船橋市の教育委員会に確認してください。
船橋市の適応指導教室(教育支援センター)はどこにありますか?
船橋市の教育支援センターは「サポートルーム」という名前で、第1サポートルーム「ひまわり」(宮本6-33-1、峰台小学校敷地内)と第2サポートルーム「すずらん」(松が丘3-69-1、古和釜中学校C棟4階)の2か所です。
月曜日から金曜日に、午前・午後・1日の主に3コースがあります。通えるのは総合教育センターで相談を受けている子のうち、本人と保護者が希望し、在籍校の校長先生が認めた場合なので、まず総合教育センターの教育相談班(047-422-7734)に相談します。
出典
- 船橋市教育委員会「船橋市不登校相談リーフレット」(令和8年度版) ページ 本文へ戻る
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) ページ 本文へ戻る
- 船橋市「オンライン教材『デキタス』について」(2026年5月18日更新) ページ 本文へ戻る
- 千葉県教育委員会「千葉県フリースクール活動支援事業について」 ページ 本文へ戻る
- 船橋市総合教育センター「サポートルーム」(2026年9月3日更新) ページ 本文へ戻る
- 船橋市「ほっとスペース『けやき』(不登校児童生徒等支援事業)」(2026年9月15日更新) ページ 本文へ戻る
