不登校の子が昼間に通える塾はないだろうか。平日の日中、家でひとり過ごす時間が長くなってくると、そう考えて探し始める保護者の方は多いです。ところが近所の塾に問い合わせると、「授業は夕方からです」と言われてしまう。
先に答えます。昼間に通える塾はありますが、数は多くありません。 そして「不登校 昼間 塾」で探しているご家庭が本当に必要としているのは、塾とは限りません。平日の日中に学べる場所は、塾を含めて4種類あります。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
この記事は「平日の日中に通える場所をどう探し、どう選ぶか」に絞って整理します。
不登校の子が昼間に通える塾が少ない理由
一般的な学習塾は、学校が終わったあとの子どもを対象にしています。そのため授業が始まるのは夕方の16時や17時以降で、平日の午前中や昼過ぎは教室が閉まっているのが普通です。
講師の多くが大学生や兼業の先生で、日中は確保しにくいという事情もあります。「昼間に通わせたい」と相談して断られても、その塾が冷たいわけではありません。仕組みとして対応できないだけです。
一方で、文部科学省の令和6年度の調査では、小中学校の不登校の子どもは353,970人にのぼります。[1] 平日の日中に行き先を必要としている子は、これだけいるということです。
この需要を受けて、昼間から開けている不登校対応の塾や、日中に通える塾以外の場所が少しずつ増えてきました。
平日の日中に学べる場所は4種類ある
「昼間に通える塾」という言葉で探すと選択肢が狭くなります。平日の日中に学べる場所を、種類ごとに整理します。
- 昼間から開いている不登校対応の塾 個別指導が中心で、10時や12時から授業を受けられるところがあります。目的は教科の学習で、1コマ単位の利用が基本です
- 対面のフリースクール 平日の朝から午後まで開いていて、学習に加えて活動や人との関わりがあります。「勉強しに行く」より「通う場所がある」ことに重心があります
- 教育支援センター 市区町村の教育委員会が設けている公的な教室で、利用料は無料のところがほとんどです。在籍校との連絡が取りやすいのが強みです
- オンラインの塾やフリースクール 自宅から日中に参加できます。外に出るエネルギーがまだない時期の選択肢です
大事なのは、お子さんにいま必要なのが「勉強」なのか「平日の行き先」なのかを先に見ることです。勉強の遅れだけが心配なら塾が合います。家にひとりでいる時間そのものが心配なら、1コマ60分や90分の塾では日中は埋まりません。
塾とフリースクールの目的の違いは、別の記事で掘り下げています。
>>不登校の子は塾とフリースクールのどちらに通うべき?両方の機能を持つ場所もある
昼間に通うこと自体のハードルを知っておく
場所が見つかっても、もうひとつ壁があります。平日の昼間に外へ出ること自体が、不登校の子にとっては簡単ではないという点です。
僕自身、不登校だった頃、平日の昼間に外を歩いていて、近所の人に「学校は?」と聞かれたことがあります。夕方のチャイムが鳴ると同級生が帰ってくるので、その時間は外に出られませんでした。
この感覚は、いま関わっている子どもたちからもよく聞きます。だから場所を選ぶときは、中身だけでなく行き帰りの時間帯を見てください。
- 行きは登校時間を外す 8時前後は通学路に同級生がいます。9時半や10時以降に着く設定だと、顔を合わせずに済みます
- 帰りは下校時間より前にする 小学校の下校が始まる14時半から15時台より前に帰れると、本人の負担が軽くなります
- 学区の外も候補に入れる 電車で数駅離れた場所のほうが、知り合いに会う心配がなく通いやすいという子は少なくありません
夕方から始まる塾に通いにくいのは、やる気の問題ではなく、この時間帯の問題であることが多いです。
平日日中に学べる場所の選び方。見学で確かめたい5つのこと
種類と時間帯の見当がついたら、見学や問い合わせで次の点を確かめてください。
- 開いている曜日と時間 「昼間対応」と書いてあっても、週2日だけ、午後だけという場合があります
- 週1回から始められるか 最初から週5日の契約だと、1回休んだだけで失敗体験になります
- 休んだときの扱い 当日キャンセルで責められない雰囲気か、振替ができるかを聞いておきます
- 在籍校との連携の実績 出席扱いは在籍校の校長先生の判断ですが、学校に出せる活動の記録を発行しているかどうかで進めやすさが変わります[2]
- 勉強以外の時間があるか 机に向かう気力がない日でも行ける場所かどうか。ここが続くかどうかの分かれ目です
費用の面も補足します。自治体のフリースクール利用料の助成は、対象になる施設の条件が制度ごとに決まっています。塾が対象に入るかどうかは、お住まいの自治体に確認が必要です。
なお、朝起きられない、頭痛や腹痛が続くといった体の不調があるときは、場所探しと並行して小児科など医療機関にも相談してください。体の状態に合わせて通う時間帯を決めるほうが、無理がありません。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
昼間に通える塾を探していたご家庭にとっての良さは、夕方からの塾では埋まらない平日9時から15時の時間に、行き先ができることです。来たらまずその日にやることを自分で決めるので、勉強する日もあれば、活動を中心に過ごす日もあります。週1回から通えます。
「明光義塾の教室に昼間通えるのか」と聞かれることもあります。塾とフリースクールの使い分けは、こちらの記事にまとめました。
>>明光義塾に不登校の子は通える?塾・フリースクール・高等学院の使い分け
学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
今日できる一歩
今日できる一歩として、お子さんの平日の1日を紙に書き出してみてください。起きる時間、食事、ゲームや動画の時間。そのうえで「外に出られそうな時間帯」に丸をつけます。
10時から14時のあいだに丸がつくなら、日中の場所を探す意味があります。丸がつかないなら、まずはオンラインから。探す順番が決まるだけで、問い合わせ先が絞れます。
まとめ
不登校の子が昼間に通える塾はありますが、数は限られます。平日の日中に学べる場所は、昼間対応の塾、対面のフリースクール、教育支援センター、オンラインの4種類。いま必要なのが勉強なのか行き先なのかで、合う場所は変わります。
選ぶときは、同級生の登下校と重ならない時間帯で通えるか、週1回から始められるか、在籍校に出せる記録があるかを確かめてください。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
不登校の子が昼間に通える塾はありますか?
あります。ただし一般的な学習塾は放課後の夕方から開くため、数は多くありません。不登校対応の個別指導塾のなかに、10時や12時から授業を受けられるところがあります。平日の日中に学べる場所としては、塾のほかに対面のフリースクール、教育支援センター、オンラインの選択肢があります。
昼間の塾とフリースクールはどう違いますか?
塾は教科の学習が目的で、1コマ単位の利用が基本です。フリースクールは平日の朝から午後まで開いていて、学習に加えて活動や人との関わりがあり、通う場所があること自体に重心があります。勉強の遅れが心配なら塾、日中の行き先が必要ならフリースクールが合いやすいです。
昼間に通う場所は出席扱いになりますか?
出席扱いにするかどうかは、文部科学省の通知に基づいて在籍校の校長先生が判断します。学校に出せる活動の記録を発行しているか、在籍校との連携の実績があるかを、見学のときに確かめておくと進めやすくなります。
出典
