「子どもが学校に行けなくなったとき、石川県では誰に相談すればいいのか」。その答えを先にお伝えします。石川県には、無料で使える公的な相談窓口が県レベル・市町レベルの両方にそろっています。石川県の大きな特徴は、県みずからが「やすらぎ教室」という教育支援センターを加賀から能登まで7地区に設置していることで、お住まいの市町に窓口がなくても頼れる場所があります。この記事では、県の教育相談窓口から、金沢市の「そだち」など市町の教育支援センター(適応指導教室)まで、公的機関の公式サイトと県教育委員会の公式資料で実在を確認した窓口だけを一覧にしました。全部を読む必要はありません。目次から、いま必要なところだけ開いてください。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。この記事では「どこに、どの順番で相談するか」を、元当事者と支援者の両方の目線で整理していきます。
最初にどこへ相談するか。緊急度で整理します
一覧に入る前に、ひとつだけ先にお伝えさせてください。
お子さんの安全に関わる状況のとき(自分を傷つけそう、いじめで追い詰められているなど)は、迷わず「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310 に電話してください。 24時間365日つながる窓口で、石川県教育委員会も「24時間いじめ相談テレホン」として同じ窓口を公式に案内しています。夜間や休日でもかけられますし、子ども本人からも保護者からも相談できます。
緊急ではない場合の基本の順番は、次のとおりです。
- 学校内で相談する(担任、養護教諭、スクールカウンセラー)
- 自治体の教育相談を使う(この記事で一覧にする県・市町の窓口)
- 民間の相談先を検討する(フリースクール、親の会、オンライン相談など)
担任に話しにくい事情があるなら、1を飛ばして2から始めても何の問題もありません。窓口の種類ごとの使い分けは、全国版の記事で詳しく解説しています
>>不登校の相談先はどこ?公的・民間の相談窓口一覧と使い分け
いじめが背景にあるときは、いじめに特化した相談先の一覧も参考にしてください
>>いじめの相談先一覧。学校以外に話せる窓口と使い分け
石川県の県レベルの相談窓口
まず、県が運営する窓口です。お住まいの市町に関係なく、県内どこからでも利用できます。
石川県教員総合研修センター「学校生活等に関する相談」
- 運営: 石川県教員総合研修センター(生徒指導・教育相談担当)
- 内容: 「学校に行けない」「なじめない」「進学や受験のことが心配」など、学校生活や教育に関する相談全般
- 対象: 幼児、小・中・高校生の本人、保護者、教職員など
- 電話: 076-298-1682(月曜〜金曜 午前8時30分〜午後5時15分。土日祝のほか、8月10日〜20日、12月16日〜1月5日、3月16日〜4月5日は電話相談を受け付けていません)
- 石川県教員総合研修センター「学校生活等に関する相談」の公式ページ
石川県の教育相談の中心となる窓口です。電話相談だけでなく来所相談(無料)にも応じており、来所を希望する場合は事前に電話で申し込みます。公式案内には「学校に行けない」「先生とうまくいかない」といった相談例がそのまま載っていて、不登校の相談先として想定されていることが分かります。
24時間子供SOSダイヤル(県教委の24時間相談テレホン)
- 運営: 文部科学省・石川県教育委員会
- 内容: いじめ・不登校など、児童生徒が発するSOS全般
- 電話: 0120-0-78310(フリーダイヤル・24時間365日)
- 24時間子供SOSダイヤル(県教委の24時間相談テレホン)の公式ページ
全国共通番号ですが、石川県内からかけると県の相談体制につながります。県教育委員会の公式ページには、つながりにくい場合はあきらめず何度かかけてほしい旨も書かれています。平日の日中に電話できない共働きのご家庭でも使いやすい窓口です。
親子のための相談LINE
- 運営: 石川県(こども家庭庁が設置した全国共通アカウントを利用)
- 内容: 子育てや親子関係の悩み。子ども本人も保護者も相談できます。匿名(LINE上のアイコンとニックネーム)でも利用可能
- 親子のための相談LINEの公式ページ
電話で話すこと自体がつらいときは、LINEで文字を送れるこの窓口が合います。「不登校の相談」と構えなくても、「子どもとの関わり方に悩んでいる」という段階から使えます。相談内容の秘密は守られると公式に明記されています。
石川県こころの健康センター
- 運営: 石川県(精神保健福祉センター)
- 内容: 対人関係や性格の悩み、ストレスによる心身の不調、ひきこもりの悩みなど、心の問題全般
- 相談方法: 面接相談は予約制・無料。予約電話 076-238-5750(月曜〜金曜 午前8時30分〜午後5時15分)。電話相談は「こころの相談ダイヤル」076-237-2700(平日9時〜17時)、夜間・休日は 0570-783-780
- 石川県こころの健康センターの公式ページ
不登校が長引いて、食欲や睡眠に影響が出ている、家から出ること自体がむずかしくなってきた。そんな心身の不調が強いときの専門窓口です。教育の窓口と迷ったら、「体と心の状態がつらそうならこちら」と覚えておいてください。
児童相談所(18歳未満の子どものこと全般)
- 石川県中央児童相談所(かほく市以南・金沢市を除く): 076-223-9553
- 石川県七尾児童相談所(宝達志水町以北): 0767-53-0811
- 金沢市こども相談センター(金沢市): 076-243-4158
- 出典: 石川県教育委員会「不登校児童生徒の保護者のための支援ガイド」[1]
18歳未満の子どもの心やからだのこと、家庭や学校での問題について、本人・家族どちらからでも相談できる機関です。金沢市にお住まいの方だけ、市の「こども相談センター」が窓口になります。
教育支援センター(適応指導教室)一覧。県立と市町立の両方があります
次に、学校に行きづらい小中学生が学校の代わりに通える公的な場所、教育支援センター(適応指導教室)です。教育相談も受け付けています。
石川県が全国的にもめずらしいのは、市町とは別に、県が「やすらぎ教室」という教育支援センターを7地区に直接設置していることです。県教育委員会の支援ガイドによると、やすらぎ教室には相談員・指導員のほかスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーもいて、ここ数年は県内の教育支援センター通室生のうち約6割が学校に復帰しています。お住まいの市町にセンターがない場合は、最寄りのやすらぎ教室に問い合わせてほしいと県が公式に案内しています。
利用の前に知っておきたい実務が2つあります。
- 申し込みは在籍校を通じて行うのが基本です。 まず担任か教頭に「教育支援センターの利用を考えている」と伝えてください。学校に話しにくい場合は、市町の教育委員会に直接問い合わせても大丈夫です
- 通所は在籍校の出席扱いになる場合が多いです。 校長の判断によるため、利用前に在籍校へ確認してください。出席扱いを断られたときの対処はこちらの記事にまとめています
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
県立の教育支援センター「やすらぎ教室」(7教室)
いずれも一次情報は県教育委員会の支援ガイド県立の教育支援センター「やすらぎ教室」(7教室)の公式ページです。
- やすらぎ金沢教室(金沢中央高校内・金沢市泉本町): 076-243-1612
- やすらぎ小松教室(小松北高校内・小松市島田町): 0761-23-6669
- やすらぎ加賀教室(加賀聖城高校内・加賀市大聖寺馬場町): 0761-72-3220
- やすらぎ羽咋教室(羽松高校内・羽咋市吉崎町): 0767-22-0345
- やすらぎ七尾教室(七尾城北高校内・七尾市西藤橋町): 0767-53-2296
- やすらぎ穴水教室(旧輪島農林総合事務所内・穴水町字大町): 0768-52-2258
- やすらぎ能登教室(能登高校内・能登町字宇出津): 0768-62-2527
やすらぎ教室では、保護者どうしが悩みを話せる「学校に行けない子供について考える保護者の会」も県内7か所で開かれています。スクールカウンセラーが参加する懇談会もあり、「同じ悩みを持つ親と話せて良かった」という声が県の資料に紹介されています。
市町の教育支援センター(11市町)
各市町の公式サイトで実在を確認した窓口です。開設場所や受付時間は変わることがあるため、必ずリンク先で最新情報を確認してください。
- 金沢市|そだち富樫・そだち此花 教育プラザ(076-243-0874・平日9時〜17時45分)が窓口。個別支援の「そだちPersonal」、小集団の「そだちFriendship」、オンラインの「そだちLink」と、子どもの状態に合わせた3つのプログラムがあります。 金沢市の公式ページ
- 白山市|ふれあい教室 白山市教育センターが運営。通室する児童生徒への支援とあわせて、本人・保護者のカウンセリングも行っています。 白山市の公式ページ
- 小松市|ふれあい教室 教育研究センターが運営。「居場所づくり」「自分探し」「学習支援」を柱に、登校支援と社会への自立を目指しています。 小松市の公式ページ
- 加賀市|教育総合支援センター(適応指導教室Being) 旧三木小学校の校舎を活用。面談を重ねてからBeingへの通室につなぐ流れで、メール相談にも対応しています。 加賀市の公式ページ
- 能美市|ふれあい教室 教育センター(寺井町中45・0761-58-7867)が運営。2026年に寺井町へ移転しているので、場所は公式ページで最新情報を確認してください。 能美市の公式ページ
- 野々市市|ふれあい教室 教育センター内。個別支援(面談・学習など)と集団活動(スポーツ・調理実習など)を組み合わせ、安心できる居場所づくりから支援します。 野々市市の公式ページ
読み疲れたら、ここまでで大丈夫です。お住まいの市町が見つからないときや、近くに通える場所がないときは、県立のやすらぎ教室か、この下の「全国どこからでも使える相談窓口」へ進んでください。
- かほく市|教育支援センター「すまいる」 学校に行きづらい児童生徒の居場所・学びの場。かほく市は校内教育支援センターの開設も公式に案内しています。 かほく市の公式ページ
- 津幡町|パイン教室 福祉教育プラザ2階の教育センター内に設置された教育支援センターです。 津幡町の公式ページ
- 内灘町|ステップ 教育センターが運営。学習のほか、スポーツ・園芸・調理実習など幅広い活動プログラムがあります。 内灘町の公式ページ
- 七尾市|わかたけ 教育研究所内。相談・適応指導・学習指導を行い、2024年10月からは中学生に加えて小学生の通室受け入れも始まりました。 七尾市の公式ページ
- 輪島市|あゆみ 輪島市の教育支援センター。連絡先は県教育委員会の支援ガイドに掲載されています。 輪島市の公式ページ
上記にない市町にお住まいの場合も、あきらめないでください。志賀町・中能登町・珠洲市などは、最寄りの県立やすらぎ教室(羽咋・七尾・穴水・能登)が受け皿になります。また県の支援ガイドによると、石川県内の公立学校には、教室に入りづらい子のための校内教育支援センターや別室がすべての学校に開設されています。「教室には入れないけれど学校自体には行けそう」という段階なら、在籍校に「校内教育支援センターを使えますか」と聞いてみてください。
全国どこからでも使える相談窓口
石川県内の窓口と並行して、全国共通の窓口も使えます。「地元の窓口だと知り合いに会いそうで話しにくい」というときは、むしろこちらが向いています。
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間365日・無料) 文部科学省。 24時間子供SOSダイヤルの公式ページ
- チャイルドライン 0120-99-7777(毎日16時〜21時・無料) 18歳までの子ども専用。名前を言わなくても、途中で切ってもかまいません。 チャイルドラインの公式ページ
- こどもの人権110番 0120-007-110(平日8時30分〜17時15分・無料) 法務省。いじめや虐待など、こどもの人権に関わる相談。 こどもの人権110番の公式ページ
他の都道府県の窓口をお探しの方へ
全国47都道府県の不登校相談窓口の一覧は、こちらのまとめからご覧いただけます。
>>【全国版】47都道府県の不登校相談窓口一覧。お住まいの県から探せます【2026年最新】
公的な窓口で解決しなかったときの選択肢
ここまで公的窓口を並べてきましたが、実際には「電話してみたけれど、うちの子には合わなかった」ということも起こります。相談員との相性もありますし、教育支援センターの雰囲気が合わない子もいます。それは窓口が悪いわけでも、お子さんが悪いわけでもありません。合わなかったら別の道を探せばいいだけで、行き止まりではありません。
僕自身、約10年の不登校の中で居場所になったのは、公的機関ではなくフリースクールでした。「なんで学校に行かないの」と誰も聞かない場所に出会えたことが、その後の人生を変えました。だから、選択肢は多いほど良いと本気で思っています。
いちばん気軽な次の一歩は、無料のLINE相談です。 不登校の専門家として、僕が状況を伺って「いま何から始めるか」を一緒に考えます。窓口に電話をかける勇気がまだ出ない段階でも、LINEなら送れるという方は多いです。
また、相談の先にある「居場所」や「学び」としては、対面型の明光フリースクールや、自宅から参加できるオンラインのクラスジャパン小中学園という選択肢もあります。石川県内のフリースクールと補助金の情報は、市区町村別の一覧記事にまとめています
>>石川県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
今日できる一歩
この記事の一覧から、気になった窓口を1つだけ選んで、公式ページを開いてみてください。まだ電話はしなくて大丈夫です。「ここなら話せそうか」を眺めるだけで、今日の一歩としては十分です。夜にこの記事を読んでいるなら、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)の番号だけメモしておくのもいいと思います。
まとめ
石川県には、教員総合研修センターの電話・来所相談、匿名で使える親子のための相談LINE、心身の不調が強いときのこころの健康センター、そして県立やすらぎ教室7教室と金沢市「そだち」をはじめとする市町の教育支援センターと、無料で頼れる公的窓口がそろっています。緊急のときは0120-0-78310へ。それ以外は、学校内→自治体→民間の順で、合う場所を探していけば大丈夫です。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
石川県で不登校の相談は無料でできますか?
はい。この記事で紹介した石川県教員総合研修センターの電話・来所相談(076-298-1682)、24時間子供SOSダイヤル、親子のための相談LINE、県立やすらぎ教室や各市町の教育支援センターなどの公的窓口は、すべて無料で相談できます。こころの健康センターの面接相談も無料です(予約制)。
教育支援センター(やすらぎ教室・そだちなど)に通うと出席扱いになりますか?
在籍校の校長の判断により、指導要録上の出席扱いになる場合が多いです。ただし市町や学校によって運用が異なるため、利用を始める前に在籍校へ「通所した場合の出席の扱い」を確認しておくと安心です。申し込みも在籍校を通じて行うのが基本です。
親だけで相談してもいいですか?
もちろん大丈夫です。石川県教員総合研修センターの相談は保護者や教職員も対象と公式に明記されていますし、親子のための相談LINEも、各市町の教育支援センターも、保護者だけの相談を受け付けています。本人がまだ動けない時期こそ、まず親が情報を集めて話を聞いてもらうことが、結果的に本人の負担を減らします。
出典
