海外から帰国して、日本の学校の勉強についていけない。国語の文章が読み切れない、漢字が書けない、社会科の授業で何の話をしているのか分からない。
帰国子女のご家庭からよく聞く悩みです。先にお伝えしたいのは、これは能力の問題ではなく、育った環境の前提が変わったことで起きるギャップだということです。抜けている単元を特定してさかのぼれば、埋める道筋はつくれます。
この記事は、帰国子女の「学習面のギャップ」に絞って、つまずきやすいポイントと埋め方を整理します。学校には通えているけれど勉強だけが苦しい、というお子さんも対象です。
日本の学校の雰囲気や仕組みそのものが合わないと感じている場合は、こちらの記事で解説しています。
>>帰国子女で日本の学校が合わない。不登校になる前に「最初からフリースクール」という選択肢
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。
帰国子女が勉強についていけないのは「よくあるパターン」が決まっている
帰国子女のつまずきは、実は場所がだいたい決まっています。よくあるのは次の4つです。
- 国語の読解 教科書の文章量が一気に増え、「登場人物の気持ち」のような行間を読む問いに戸惑う
- 漢字と語彙 日本の学校では学年ごとに漢字を積み上げる前提で授業が進むため、海外にいた期間の分がそのまま抜ける
- 社会科の前提知識 日本の歴史・地理・生活文化を「知っているもの」として授業が進む
- 授業の進め方の違い 一斉授業のスピード、ノートの取り方、発言の作法などが海外の学校と大きく違う
どれも「その環境で過ごしていないから、まだ知らない」というだけの話です。海外で育てば現地の言葉や文化に詳しくなるのと同じで、環境が変われば必要な前提知識も変わります。お子さんの頭の良し悪しとは関係ありません。
なお、文部科学省も帰国児童生徒の教育支援に関する情報をまとめています。学校側にも受け入れの配慮が求められている、ということは知っておいて損がありません。
参考: 文部科学省 CLARINET(帰国・外国人児童生徒教育等に関する情報)
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「英語力」という大きな強みを忘れない
ギャップの話をする前に、必ず並べておきたいことがあります。帰国子女には、日本で育った子が何年かけても身につけにくい英語力と、異文化の中で生活してきた適応力があるということです。
国語や漢字の遅れは目立ちやすく、英語力は日本の小中学校の授業では測られにくいので、どうしても「できないこと」ばかりが数えられがちです。でも実際には、失ったものより持っているものの方が大きいケースがほとんどです。
そして、学校の進度と「学ぶ力」は別物です。僕自身、約10年間学校に行っていませんでしたが、クイズ番組やNHKの教育テレビで勉強したり、本を読んだりすること自体は好きでした。
「信長の野望」という歴史ゲームがきっかけで日本史にハマり、教科書の範囲をはるかに超えた大学生用の分厚い本を読み込んでいた時期もあります。入り口さえ合えば、子どもは勝手に学びます。帰国子女にとっての英語や海外経験は、その入り口の宝庫です。
学年ではなく「単元」で戻る。ギャップの埋め方の考え方
埋め方の基本は、学年で丸ごと戻るのではなく、抜けている単元だけを特定してさかのぼることです。
たとえば漢字は、小学校6年間で1,026字を学年ごとに積み上げる仕組みになっています。
3年間海外にいたなら、その期間の配当漢字がそっくり抜けているだけで、それ以外の力まで失われたわけではありません。
「小4の漢字から」とピンポイントで戻れば、中学生の理解力で小学生の漢字をやるので、当時の何倍ものスピードで進みます。
社会科も同じで、歴史の流れや都道府県のような前提部分だけを短期間で補えば、授業の話が急につながり始めます。全教科を最初からやり直す必要はまったくありません。
学年ではなく単元で戻るという考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>不登校の学び直しはどこから戻る?学年ではなく単元で戻すのが正解です
学校に通えているお子さんなら、この方針で塾や家庭学習を選べば十分に対応できます。ポイントは、学年を指定せずに単元から選べる教材や、一斉授業ではない個別指導の形式を選ぶことです。集団授業は「その学年の進度」で動くので、ギャップを埋める用途には向きません。
クラスジャパン小中学園という選択肢
勉強のギャップがきっかけで学校に行きづらくなっているお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。学年の枠に関係なく、つまずいた単元まで戻って学び直せるので、帰国子女のように「抜けている場所がバラバラ」なケースと相性がいい仕組みです。
答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度もあり、クラスジャパンはその実績を学校や自治体と一緒に積み重ねてきました。学校を休みながらでも、学びと学籍のつながりを切らさずに立て直せます。
今日できる一歩
漢字の抜けている場所を特定することから始めてみてください。やり方は簡単で、学年別の漢字ドリルや配当表を使い、いまの学年から1学年ずつさかのぼって10字ずつ書き取りテストをするだけです。
8割書けなくなった学年が、戻るスタート地点です。30分あればでき、「どこから始めればいいか分からない」という一番重い霧が晴れます。
まとめ
帰国子女が日本の勉強についていけないのは、環境が変わって前提が変わっただけで、能力の問題ではありません。国語・漢字・社会科のよくあるギャップは、学年ではなく単元で戻れば埋められますし、その間も英語力という大きな強みはお子さんの中に残り続けます。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
帰国子女が日本の勉強についていけないのは、ずっと続きますか?
続くものではありません。原因は海外にいた期間の単元が抜けていることなので、抜けている場所を特定してさかのぼれば埋まっていきます。特に漢字や語彙は、いまの学年の理解力で下の学年の内容を学ぶため、当時想定されていたペースより速く進むことが多いです。
漢字はどの学年から戻ればいいですか?
学年別の漢字ドリルや配当表を使って、いまの学年から1学年ずつさかのぼり、10字ずつ書き取りテストをしてみてください。8割書けなくなった学年が戻るスタート地点です。小学校の配当漢字は6年間で1,026字と決まっているので、抜けている範囲は必ず特定できます。
勉強のギャップが原因で学校に行きづらくなっています。どうすればいいですか?
無理に登校を続けることをゴールにしなくて大丈夫です。オンラインフリースクールのクラスジャパン小中学園なら、ネットの先生が伴走しながら、つまずいた単元まで戻って自宅で学べます。一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度もあるので、休みながらでも学びと学籍のつながりを保てます。
出典
