お子さんが学校に行けなくなったとき、いちばん最初につまずくのは「で、どこに相談すればいいの?」という部分ではないでしょうか。先に結論をお伝えすると、栃木県には無料で使える公的な相談窓口が、県レベルと市町レベルの両方にそろっています。毎日24時間つながる「ホットほっと電話相談」から、宇都宮市・小山市・栃木市など各市町の教育支援センター(適応指導教室)まで、この記事で連絡先と公式ページを一覧にしました。全部を読む必要はありません。いま必要なところだけ、目次から開いてください。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。この記事では「栃木県のどの窓口に、どの順番で相談するか」を、元当事者と支援者の両方の目線で整理していきます。
最初にどこへ相談するか。緊急度で整理します
一覧に入る前に、これだけは先にお伝えさせてください。
いますぐ命に関わる危険があるとき(自分を傷つけてしまった、意識がないなど)は、まず119番か救急外来に連絡してください。 急を要さないけれど「死にたい」という気持ちがつらいときは、「#いのちSOS」0120-061-338(24時間365日・無料)や、こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 が相談を受け付けています。いじめや学校のこと、家族のことで追い詰められているときは「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310へ。 文部科学省の窓口で、24時間365日、通話料無料です。夜中でも、匿名でもかけられます。子ども本人からも保護者からもかけられます。
緊急ではない場合の基本の順番は、次のとおりです。
- 学校内で相談する(担任、養護教諭、スクールカウンセラー)
- 自治体の教育相談を使う(この記事で一覧にする県・市町の窓口)
- 民間の相談先を検討する(フリースクール、親の会、オンライン相談など)
担任に話しにくい事情があるなら、1を飛ばして2から始めてかまいません。相談窓口の種類ごとの使い分けは、全国版の記事で詳しく解説しています
>>不登校の相談先はどこ?公的・民間の相談窓口一覧と使い分け
いじめが背景にあるときは、いじめに特化した相談先の一覧も参考にしてください
>>いじめの相談先一覧。学校以外に話せる窓口と使い分け
栃木県の県レベルの相談窓口
まず、県が運営する窓口です。市町をまたいで、県内どこからでも利用できます。
ホットほっと電話相談(毎日24時間・電話とメール)
- 運営: 栃木県教育委員会(生涯学習課)
- 内容: いじめ、不登校、学習や進路、友達関係、育児・子育てなど。子ども本人も保護者も相談できます
- 電話: 028-665-9999(毎日24時間)
- メール相談: 専用サイトから送信。匿名可・登録不要(返答まで数日〜10日程度かかります)
- ホットほっと電話相談(毎日24時間・電話とメール)の公式ページ
栃木県で最初に覚えておきたい窓口です。毎日24時間つながるので、「夜になると不安が大きくなる」「日中は仕事で電話できない」という場合でも、時間を選ばずかけられます。急ぎではないけれど文字で整理しながら伝えたい、という方にはメール相談という入口もあります。
栃木県総合教育センターの教育相談(来所・予約制)
- 運営: 栃木県総合教育センター(宇都宮市瓦谷町1070)
- 内容: 登校できない、不安や緊張が強い、友達との関わりがうまくいかない、進路で迷っているなど、子どもに関する悩み全般。無料
- 相談方法: 来所による相談(予約制。申込みは保護者から)
- 申込み電話: 028-665-7210・7211(受付は月曜〜金曜)
- 相談時間: 平日9時30分〜12時、13時〜17時15分
- 対象: 県内の幼児・児童・生徒とその保護者等
- 栃木県総合教育センターの教育相談(来所・予約制)の公式ページ
電話で済ませるのではなく、専門の相談員と顔を合わせてじっくり話したいときはこちらです。秘密は厳守され、費用はかかりません。予約制なので、まず上の番号に保護者の方から電話をして申し込む流れになります。
ポラリス☆とちぎ(栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター)
- 運営: 栃木県(委託運営。宇都宮市下戸祭2-3-3)
- 内容: 不登校、ひきこもり、ニートなど、子ども・若者とその家族の悩み全般。ひきこもり相談は年齢制限なし
- 電話: 028-643-3422(火曜〜土曜 10時〜19時)
- 来所相談: 要予約(1回1時間・無料)。メール相談は24時間受付
- ポラリス☆とちぎ(栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター)の公式ページ
不登校が長引いて外出自体がむずかしくなってきた場合や、中学卒業後・高校中退後の進路も含めて相談したい場合の専門窓口です。本人が動けなくても、家族だけの相談から始められます。平日昼間に加えて土曜日と夜間(19時まで)も開いているのが心強いところです。
こころのダイヤル(栃木県精神保健福祉センター)
- 運営: 栃木県精神保健福祉センター
- 内容: こころの健康に関する相談全般
- 電話: 028-673-8341(平日9時〜17時。回線が限られ、つながりにくい場合があります)
- こころのダイヤル(栃木県精神保健福祉センター)の公式ページ
眠れない、食べられない、気分の落ち込みが続くなど、心身の不調が強いときはこちらが専門です。この窓口はお子さんのことだけでなく、支える側の保護者自身の相談にも使えます。お子さんのことで疲れきってしまったとき、自分のために電話してもいい場所です。
SNS(LINE)を活用した相談(中学生・高校生向け)
- 運営: 栃木県教育委員会(学校安全課)
- 対象: 県内の中学生・高校生等(市町立中学校、県立学校、私立中高など)
- 受付: 通年は毎週水曜・日曜 19時〜21時。長期休み明けなどの集中期間は毎日対応
- 登録方法: 学校で配布されるQRコード付きカードから
- SNS(LINE)を活用した相談(中学生・高校生向け)の案内ページ
「電話で声を出すのはハードルが高い」という中高生本人には、LINEで送れるこの窓口があります。学校からもらったカードで登録するだけで、相談もいじめの通報もできます。お子さんが「誰にも話せない」と抱え込んでいそうなら、この仕組みがあることをそっと伝えてみてください。
市町の教育支援センター(適応指導教室)一覧
次に、市町ごとの窓口です。教育支援センター(適応指導教室)は、学校に行きづらい小中学生が学校の代わりに通える公的な場所で、少人数での学習や体験活動、相談への対応などを行っています。栃木県教育委員会(義務教育課)が県内全教室の一覧(名称・所在地・電話番号)を公式ページで公開しており、令和8(2026)年8月現在で市町立33教室と県立1教室が載っています[1]。この記事もその県公式一覧を一次情報にしています。
利用にあたって知っておきたい実務が3つあります。
- 申し込みは在籍校を通じて行うのが基本です。 まず担任か教頭に「教育支援センターの利用を考えている」と伝えてください。学校に話しにくい場合は、市町の教育委員会に直接問い合わせても大丈夫です
- 通所は在籍校の出席扱いになる場合が多いです。 校長の判断によるため、利用前に在籍校へ確認してください。出席扱いの制度そのものは、こちらの記事で詳しく解説しています
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説 - 教室の場所や開設状況は変わることがあります。 見学の前に、必ず各リンク先と県公式一覧で最新情報を確認してください
- 宇都宮市|とらいあんぐる・まちかどの学校・U@りんくす 市内に通所型2教室と、自宅からオンラインで参加できるデジタル適応支援教室「U@りんくす」があります。窓口は宇都宮市教育センター。 宇都宮市の公式ページ
- 足利市|足利市教育支援センター
- 栃木市|はばたき・あじさい・わたらせ・すずかぜ・コスモス 旧市町の地区ごとに市内5教室があり、県内でも多いほうです。 栃木市の公式ページ
- 佐野市|みんなのまなびば(アクティヴ・マイルーム) 市内2教室。佐野市教育センターが窓口。 佐野市の公式ページ
- 鹿沼市|アメニティホーム
- 日光市|日光市教育支援センター
- 小山市|教育支援センターアルカディア
- 真岡市|もおかライブリー教室(真岡教室・二宮教室)
- 下野市|スマイル教室
- 矢板市|適応支援教室チャレンジハウス
読み疲れたら、ここまでで大丈夫です。お住まいの市町が見つからないときや、近くに通える窓口がないときは、この下の「全国どこからでも使える相談窓口」へ進んでください。
- さくら市|適応支援教室つばさ
- 大田原市|教育支援センター支援部すばる
- 那須塩原市|ハートフルスペース「ふれあい」
- 那須烏山市・那珂川町|レインボーハウス 2市町の共同設置で、那珂川分教室もあります。
- 壬生町|教育支援センター「ひばり」
- 上三川町|教育支援センター「オアシス」
- 高根沢町|フリースペース「ひよこの家」
上記にない市町にお住まいの場合も、あきらめる必要はありません。県公式一覧には益子町の「つばさ教室」、茂木町の「もてぎスマイルガーデン」、市貝町の「アドバンス」、芳賀町、野木町の「あすなろ教室」、那須町の「こもれび」など、町の教室も載っています。さらに県立の「栃木県教育支援センター」(宇都宮市瓦谷町)もあります。まずは県公式一覧でお住まいの市町を探すか、市町の教育委員会に「教育支援センターか、それに代わる相談先はありますか」と聞いてみてください。
なお、教育支援センターとフリースクールは対立するものではなく、併用もできます。両者の違いはこちらの記事にまとめています
>>適応指導教室(教育支援センター)とフリースクールの違い。両方使っていいんです
全国どこからでも使える相談窓口
栃木県内の窓口と並行して、全国共通の窓口も使えます。「地元の窓口には顔を知られていそうで話しにくい」というときは、むしろこちらが向いています。
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間365日・無料) 文部科学省。 24時間子供SOSダイヤルの案内ページ
- チャイルドライン 0120-99-7777(毎日16時〜21時・無料) 18歳までの子ども専用。名前を言わなくても、途中で切ってもかまいません。 チャイルドラインの公式サイト
- こどもの人権110番 0120-007-110(平日8時30分〜17時15分・無料) 法務省。いじめや虐待など、こどもの人権に関わる相談。 こどもの人権110番の案内ページ
他の都道府県の窓口をお探しの方へ
全国47都道府県の不登校相談窓口の一覧は、こちらのまとめからご覧いただけます。
>>【全国版】47都道府県の不登校相談窓口一覧。お住まいの県から探せます【2026年最新】
公的な窓口で解決しなかったときの選択肢
ここまで公的窓口を並べてきましたが、実際には「相談してみたけれど、うちの子には合わなかった」ということも起こります。担当者との相性もありますし、教育支援センターの雰囲気が合わない子もいます。それは窓口が悪いわけでも、お子さんが悪いわけでもありません。合わなかったら行き止まり、ではなく、別の道に進めばいいだけです。
僕自身、約10年の不登校の中で居場所になったのは、公的機関ではなくフリースクールでした。「なんで学校に行かないの」と誰も聞かない場所に出会えたことが、その後の人生を変えました。だからこそ、選択肢は多いほうがいいと思っています。
いちばん気軽な次の一歩は、無料のLINE相談です。 不登校の専門家として、僕が状況を伺って「いま何から始めるか」を一緒に考えます。窓口に電話をかける勇気がまだ出ない段階でも、LINEなら送れるという方は多いです。
また、相談の先にある「居場所」や「学び」としては、対面型の明光フリースクールや、自宅から参加できるオンラインのクラスジャパン小中学園という選択肢もあります。栃木県内のフリースクールと補助金の情報は、市区町村別の一覧記事にまとめています
>>栃木県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
今日できる一歩
この記事の一覧から、気になった窓口を1つだけ選んで、公式ページを開いてみてください。電話はまだしなくて大丈夫です。「ここなら話せそうか」を眺めるだけで、今日の一歩としては十分です。お子さん本人がつらそうなら、ホットほっと電話相談(028-665-9999)の番号を「いつでもかけていいんだって」とメモで渡しておくのも、立派な一歩です。
まとめ
栃木県には、毎日24時間つながるホットほっと電話相談、来所でじっくり話せる総合教育センターの教育相談、土曜も開いているポラリス☆とちぎ、そして県内33教室に広がる市町の教育支援センターと、無料で頼れる公的窓口がそろっています。緊急のときは 0120-0-78310 へ。それ以外は、学校内→自治体→民間の順で、合う場所を探していけば大丈夫です。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
栃木県で不登校の相談は無料でできますか?
はい。この記事で紹介した「ホットほっと電話相談」(028-665-9999・毎日24時間)、栃木県総合教育センターの教育相談(来所・予約制)、ポラリス☆とちぎ、市町の教育支援センターなどの公的窓口は、すべて無料で相談できます。教育支援センターは通所も原則無料です(教材費など実費がかかる場合があります)。
教育支援センター(適応指導教室)に通うと出席扱いになりますか?
在籍校の校長の判断により、指導要録上の出席扱いになる場合が多いです。ただし自治体や学校によって運用が異なるため、利用を始める前に在籍校へ「通所した場合の出席の扱い」を確認しておくと安心です。申し込み自体も在籍校を通じて行うのが基本です。栃木県では令和8(2026)年8月現在、市町立33教室と県立1教室の教育支援センターが設置されています。
親だけで相談してもいいですか?
もちろん大丈夫です。ホットほっと電話相談(028-665-9999)は保護者からの相談も対象ですし、栃木県総合教育センターの教育相談は申込み自体を保護者の方から行う仕組みです。ポラリス☆とちぎも家族だけの相談から始められます。実際、最初の相談は保護者のみというケースがとても多いです。本人が動けない時期こそ、まず親が情報を集めて話を聞いてもらうことが、結果的に本人の負担を減らします。
出典
